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非免責債権とは何?自己破産で非免責債権があるときの対処法

山田 愼一

監修者:グリーン司法書士法人   山田 愼一
所属東京司法書士会登録番号東京第8849号、 東京都行政書士会会員番号第14026号
保有資格司法書士・行政書士・家族信託専門士・M&Aシニアエキスパート
関連書籍「世界一やさしい家族信託」著者・「はじめての相続」監修など多数

自己破産手続きをすると、原則として借金返済の義務を免除されますが、すべての借金が免除されるわけではありません。自己破産をしても、免除されずに支払わなければならない借金を非免責債権といいます。
では、どのような債権が非免責債権にあたるのか、詳しくみていきましょう。

非免責債権とは何?

非免責債権とは

非免責債権の種類については、破産法253条1項に定められています。

租税等の請求権

(破産法253条1項1号)
・税金(所得税、自動車税、市民税)
・国民健康保険料
・国民年金保険
この項目については、弁護士や司法書士に依頼をすると交渉で支払い期限を延期してもらえる場合もあります。

破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権

(破産法253条1項2号)
例えば、「友人の車の窓ガラスを意図せず割ってしまった」

とします。この場合は、不注意(過失)で損害賠償請求権がありますが、「悪意」ではないので、自己破産の債権に入れることができます。

「恨みをもった友人の車の窓ガラスをわざと割った後に、債権者としてその友人を追加して裁判所に自己破産を申し立てた」

この場合は、自己破産をすれば弁済せずに済むと想定した確信犯に対する制裁として、自己破産した場合でも、悪意で発生させた損害賠償請求権の返済義務は免除されないと定められています。

破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権

(破産法253条1項3号)
例えば、「あおり運転をして前方の車に事故をさせてしまった損害賠償金200万円」
この場合は、故意で他人に損失を与えているので、非免責債権となります。
破産法253条1項2号は「悪意」による行為が当てはまりますが、破産法253条1項3号では「人の生命または身体」を害した場合に限定されます。

義務に係る請求権

義務に係る請求権とは、詳しくいうと

  • 夫婦で暮らしていくための生活費、医療費
  • 婚姻費用などの結婚のために必要な費用
  • 滞納した養育費
  • 個人事業主が従業員に支払う給与や退職金の請求

(破産法253条1項4号、5号)

破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権

(破産法253条1項6号)
裁判所に提出する「債権者名簿」に記載しなかった債権に関しては、返済義務が免責されることはありません。例外的に、自己破産手続きをすることを債権者が知っていた場合には、免責される場合があります。
家族や友人が保証人になっているために、返済義務が移らないように、わざと債権者名簿に記載しないケースもあります。嘘の債権者名簿を提出する行為は、免責不可事由に該当するために、債権者名簿に記載した借金も含めて免除してもらえなくなる可能性があります。

罰金等の請求権

罰金等の請求権(破産法253条1項7号)を以下に挙げていきます。

  • 罰金、科料  金額が1万以上→罰金、1万未満は科料
  • 過料 交通違反などの罰金
  • 刑事訴訟費用 刑事訴訟を起こす場合に必要な費用
  • 追徴金 不法な方法で仕入れたものを返却できない際に支払う金銭

非免責債権と免責不許可の違い

非免責債権と似ているようで一緒にしてはいけないのが、免責不許可です。
免責不許可というのは、免責が許可されないということです。
一方で、非免責債権とは、根本的にそもそも免責がされない債権をいいます。

Aさん B社100万円 C社100万円 Dさん100万円の借金

Aさん 免責不許可
B社 C社 Dさん 全ての借金を返済しなければならない
Aさん B社100万円 C社100万円 Dさん100万円の借金

Aさん 免責許可
Dさん100万円については非免責債権であった場合
B社100万円 C社100万円は免責されるが、Dさん100万円は返済していく

このように、自己破産の免責が許可されても、されなくても、非免責債権は返済する必要があります。

自己破産手続きで非免責債権があるときの対処法

非免責債権は自己破産で免責されません。そのような非免責債権がある場合どのように対処すればいいのか説明します。

非免責債権が小さいとき

支払不能の原因として、非免責債権もあるが、ほとんどはカード利用などの免責債権である場合は、自己破産をしてカードの借金をゼロにしてもらうと大きなメリットがあります。

非免責債権が大きいとき

非免責債権は免責されませんが、支払不能かどうかの判断材料にはされます。したがって、非免責債権が多い場合でも、免責される債権が自己破産の費用よりも安ければ自己破産をするメリットがあります。

非免責債権しかないとき

非免責債権しかないときは、自己破産を申し立てたとしてもメリットはありません。

自己破産をする場合、しない場合にかかわらず、非免責債権があるときは、非免責債権の債権者と直接交渉して減額や分割支払いにしてもらうのがいいでしょう。

自己破産でお悩みの方はご相談ください

自己破産をすれば、全ての借金から解放されるわけではなく、返済義務が残る非免責債権についてご説明してきました。
非免責債権には、

  • 養育費
  • 租税
  • 交通事故の賠償金
  • 慰謝料

など、身近な多くの債権が当てはまります。ご自身の抱えている借金が非免責債権であるかどうかを判断するには、インターネットの情報だけではなく、専門家に相談することをおすすめします。
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