過払い金請求でブラックリストに載りますか？

結論から申し上げますと、完済しており、単に過払い金請求をするだけではブラックリストに載りません。

ブラックリストに載るかどうかは、借金を完済しているか、いないかで変わってきます。

ただし、借金を完済していない場合にはブラックリストに載る可能性があります。

過払い金返還請求してブラックリスト（個人の信用事故情報）に載る場合について、司法書士が解説していきます。

過払い金請求とは

過払い金請求とは、法定金利（10万円以上〜100万円未満、年18％）を超える金利をサラ金業者などに支払っている場合、払いすぎたお金の返還をサラ金業者などに求めていく手続きのことです。

過払い金の返還を受けても、まだ破産しなければならないようなとき、この過払い金を破産の手続き費用や司法書士の報酬などに使える場合があるので、過払い金は債務者の方にとって非常に強い味方です。

ブラックリストとは

金融業者（貸金業者）は、返済の滞納や破産手続きなど通常の支払いがなされなくなった場合、それを事故情報として信用情報機関に申告しています。この信用情報機関に個人の事故情報が登録されることを、一般的に「ブラックリストに載る」と言いいます。

信用情報機関

指定信用情報機関とは、貸金業者が借主の総借入額を把握し過剰な貸し付けをしないように、借主の借入に関する情報を蓄積している団体です。現在、指定信用情報機関はJICC（日本信用情報機構）、CIC（クレジットインフォメーションセンター）および全国銀行個人信用情報センターの３つがあります。

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過払い金返還請求とブラックリストの関係

2010年4月19日までは、過払い金返還請求を行うと「契約見直し」という項目で信用情報の事故情報（ブラックリスト）に登録されていましたが、現在では信用情報の事故情報（ブラックリスト）において、「契約見直し」という項目はなくなっています。
つまり、今過払い金返還請求しても、事故情報（ブラックリスト）には登録されません。

完済後の過払い金返還請求

借金返済後に過払い金返還請求をした場合は、信用情報の事故情報には該当しませんから、ブラックリストに載ることはありません。しかし、過払い金返還請求をした金融機関のカードについては、解約となり利用できなくなりますので、注意が必要です。
他の金融機関のカードは今まで通り使えます。

ちなみに、完済とは、該当の借入先からの債務全てを完済することですので、キャッシングは完済していてもクレジットでは返済中という場合では、完済前ということになります。

完済前の過払い金返還請求

完済前の過払い金返還請求をする際には、引き直し計算の結果で以下の2つのケースを考える必要があります。
※引き直し計算・・・正当な利息で借金残高や払いすぎた利息を計算すること

それぞれのケースについてご説明します。

引き直し計算で債務が残る場合

残っている借金よりも、過払い金が多いだろうと思って、完済前に過払い金返還請求をした結果、引き直し計算をしても借金が残る場合があります。

この場合には、引き直し計算後に残った借金の返済額や返済総額を減額して貸金業者を和解するケースがありますが、信用情報機関によっては、この和解についても事故情報として登録されることがあります。

ただし、この事故情報は、借金を完済するか、債務整理をして完済した後5～10年経過すれば、事故情報は削除されます。

引き直し計算の結果、負債が残らない場合

過払い金の返還請求を行った場合、引き直し計算の前に、債務整理をしたことが事故情報が残るかどうかは借入先によって異なります。引き直し計算前に事故情報が登録されていても、引き直し計算の結果、借金が残らない場合は、債務整理をしたという事故情報は一般的には削除されます。

あらかじめ引き直し計算の結果が知りたい場合

引き直し計算をしても、借金が残ってしまう場合には、事故情報が登録されてしまうことがあるため、過払い金請求をする前に、引き直し計算の結果を分かっておきたいと思う人もいらっしゃるでしょう。

あらかじめ引き直し計算の結果が知りたい場合は、借入先から「取引履歴」を取り寄せると、概ね引き直し計算が可能になります。

取引履歴は、ご自身で取り寄せたとしても、事故情報にはなりません。
ブラックリストに登録されるのがネックで、過払い金返還請求を迷っているのであれば、取引履歴を取り寄せるのがよいでしょう。

とはいえ、取引履歴があっても引き直し計算をするのは、専門知識がなければ労力がかかる作業です。
司法書士や弁護士などの専門家に依頼すれば、引き直し計算をしてくれるケースがあります。

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