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個人再生と任意整理との大きな違いは2点!借金が500万円あるときはどうなる?

山田 愼一

監修者:グリーン司法書士法人   山田 愼一
所属東京司法書士会登録番号東京第8849号、 東京都行政書士会会員番号第14026号
保有資格司法書士・行政書士・家族信託専門士・M&Aシニアエキスパート
関連書籍「世界一やさしい家族信託」著者・「はじめての相続」監修など多数

個人再生と任意整理との違い

個人再生と任意整理と大きな違いは2点あります。

個人再生と任意整理との違いは何ですか?

1.任意整理は裁判所を通さない手続きであることに対し、個人再生は裁判所を通す手続きです。

2.任意整理は引きなおし計算以上の減額が困難ですが、個人再生は引きなおし計算を超えて一定額まで減額することが可能です。

個人再生と任意整理は違いだけではなく、共通点も

ただし、個人再生も任意整理も、借金を減らして支払っていく手続きであるという点で一致しています。

個人再生と任意整理、どちらの手続きがよいのか

 任意整理と個人再生のどちらでも選べる相談の場合、個人再生をおすすめする一般的なケースについてご説明します。
任意整理の場合には、将来利息をカットし、支払期間を伸ばすことで毎月の返済額を少なくしますが、毎月の支払いはそれほど大幅に減るわけではありません。

 一方で、個人再生は、民事再生法によって自己破産に次ぐ割合で借金を圧縮し、圧縮された後の金額を分割で支払っていきます。お持ちの財産総額と以下の表であらわされる金額のいずれか高い方を返済していきます。
 ※給与所得者等再生の場合は、最低弁済額だけでなく、可処分所得の2年分も金額の基準となり、可処分所得の2年分以上の金額までの減額となります。

基準債権額 最低弁済額
100万円未満 その金額
100万円以上500万円未満 100万円
500万円以上1,500万円未満 その5分の1
1,500万円以上3,000万円未満 300万円
3,000万円以上5,000万円以下 その10分の1

つまり、毎月の返済が少し減額されても支払いが困難という場合には、個人再生で毎月の支払いを大幅に減額することをおすすめすることになります。

任意整理よりも個人再生をおすすめするケース

 毎月の支払いを押さえたい場合の他に個人再生をおすすめするケースには、以下の3つが挙げられます。

  • 債権者が任意整理に応じにくい
  • 給料差押えを受けている
  • 継続した収入があるが、毎月の支払いを大幅に減額したい

債権者が任意整理に応じにくい場合

 任意整理に全く応じない業者はほぼいません。全く応じないわけではないのですが、和解の条件が厳しく、「将来利息を全てカットすることはできない」という条件を出してくるケースがあります。そんな場合でも、個人再生で債務整理すると裁判所を通す手続きのため、債権者は債務整理を受け入れざるを得ません。

給料差押えを受けている

 個人再生を行うと、債務者は給料差押えの中止を申し立てることが可能になります。給料差押えが中止された時点では、債務者に給料が支払われることはありません。給料は会社が蓄財するか供託されることになります。個人再生の手続きが終了した際に、蓄財された給料は、まとめて受け取ることができます。供託された場合も、手続き終了後に取り戻すことができます。

継続した収入があるが、毎月の支払いを大幅に減額したい

 毎月の支払額を大幅に減額したい場合は、任意整理よりも大幅に減額できる個人再生をおすすめします。
 

借金が500万円あるときはどうなる?

 具体的に借金が500万円あるときには、個人再生を行った場合と任意整理を行った場合では、結果がどう違ってくるのでしょうか。

任意整理したとき

 この債務は任意整理で60回払いにすると、毎月の返済額は、83000円になります。

個人再生したとき

 個人再生で債務整理をすると、先ほどの表に照らして減額されると、500万円は5分の1に圧縮することになり、100万円となります。財産総額が100万円より少なかった場合は、この100万円を支払うことになります。
 個人再生の弁済期間は3年間であり、毎月の返済額は28,000円となります。任意整理で返済した場合とくらべて毎月の返済額が55000円も安くなりました。

個人再生をするための条件

 任意整理より個人再生のほうが支払額が大幅に減り、支払い期間が短いので魅力的に思えるかもしれません。しかし、個人再生をするためには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 継続した収入があること
  • 債務総額が5000万円以下
  • 支払不能のおそれがあること

 
 なお、個人再生には大きく分けて小規模個人再生手続と給与所得者再生手続があり、それぞれ詳しい条件が異なります。詳しくは以下のリンクをご確認下さい。

まずは、ご相談を

どちらが相談者様に合う手続きなのか、一人で悩まずに専門家にご相談いただき、お気持ちを軽くされることをおすすめいたします。まずは無料相談にて詳しい状況をお伺いいたします。相談者様の利益を考え、最適な手続きをご提案いたします。

どの債務整理があっているか診断してみよう

任意整理と自己破産だけではなく、債務整理には5種類の方法があります。以下のチャートで、自分に合った方法をみつけてみましょう。

債務整理チャート

  • 自己破産
  • 個人再生
  • 過払い請求
  • 任意整理
  • 時効援用

よくあるご質問

個人再生と任意整理との違いは何?
任意整理は裁判所を通さない手続きであることに対し、個人再生は裁判所を通す手続きです。また、任意整理は引きなおし計算以上の減額が困難ですが、個人再生は引きなおし計算を超えて一定額まで減額することが可能です。
個人再生と任意整理との共通点はある?
個人再生も任意整理も、借金を減らして支払っていく手続きであるという点で一致しています。
任意整理よりも個人再生を選ぶ方がいいケースって?
「債権者が任意整理に応じにくい・給料差押えを受けている・継続した収入があり、毎月の支払いを大幅に減額したい」という3つのケースがあります。

運営会社:グリーン司法書士法人

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